人間の活動と5波動の関係について

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プレクター本の日本語版の“なぜ5波と3波となるのか”のところで、R.N.エリオットがそうなる理由を説明していないとあります。

私が同じ問いを立てた場合、『自然の法則』には、少なくとも私にとって答えになる説明があります。
(『波動原理』や『Masterworks』を読めば分かる、私が知らない何かがあって、プレクターはR.N.エリオットは説明していないとしているのかもしれません)

関連する部分をいくつかの章から引用してまとめると以下のようになります(引用部分のような記述はプレクター本では第1部の最後にあります)。

The expression “human activities” includes such items as stock prices, bond prices, patents, price of gold, population, movements of citizens from cities to farms and vice versa, commodities prices, (以下略)
(*1 - 1)

All human activities have three distinctive features - pattern, time and ratio - all of which observe the Fibonacci Summation Series.
(*1 - 2)

In human activities, an advancing movement is composed of five waves, three up and two intervening correction. A cycle is composed of five waves up and three waves down, total eight. This is true of all degrees, Minor, Intermediate, Major.
(*1 - 3)


R.N.エリオットは、上下の動きが現れることがある最小のパターンが「3波動」であって、人間の活動の中での特別なパターンが「5波動」で、人間の活動の進歩が現れる株式市場(*2)においては「5 - 3の動き」が基本的な構造と思っていたのではないかと思います。
(プレクターにとって「3波動(の連続)」は5波動から始まるジグザグを除いて、上下の動きではないようなので(*3)、上下の動きが現れる最小のパターンを「5波動」と考えている?)


ハミルトン・ボルトン『エリオット波動』(改訂新版:2000)の中の「解説 エリオット波動・再考」(*4)では

経済成長が長い下降期に入ったなら「3波で上昇、5波で下落」となる可能性もあるのではないか

とあります(他にも商品先物では上下とも3波で動く説がある、ドル円では円高・円安のどちらが5波動になるか、といったことに関する記述があります)。

Steven W. Poserの『Applying Elliott Wave Theory Profitably』(2003)にはわざわざ「株式市場以外でエリオットは機能するか」、という章が設けられています(*5)。

・イノベーションで株価が上がる
・イノベーションがない状況になれば、株価は下方向に5波動が出ると思う
・Tony Plummerが『Forecasting Financial Markets』(1991)の中で大抵は3波動で動き、5波動で動くことがあると唱えた
・Poser自身も債券や為替,Cyclical Marketなどのイノベーションとあまり関係ない市場では何かがあって大きなトレンドが出れば5波動になるが、そうでなければ3波動で上下する可能性があると考えている

このような記述がありますが、『自然の法則』の引用部分を読むと納得できます。

イノベーションでコストが下がることはあるでしょうが、原油や大豆の価格変動に人間の活動の進歩は直接関係なく、通貨の交換比率も債券価格(利回り)も人間の活動の進歩とは直接関係ないと言えます。


Poserのアドバイスに(*6)

・衝撃波なら簡単に認識できるはず
・(逆に)カウントがうまくできなければそれは修正波

とあり、5波動構造は特殊なパターンなのでその動きが綺麗で、例外的なことが起こっているか(起こっていたか)見ればいいと思います。

・重複が多いか、少ないか
・1,2,3/A,B,Cとカウントするなら3やCの方が綺麗か
・1 - 1.382に収まっているか
・長く綺麗な波動でもA-B Baseなどのフラットになっていないか
・オシレーターが所謂買われすぎ/売られすぎの位置からすぐに反転したか

ディグリーの変化を見るためには、トレンドラインを引くという手段がある。過去20年間のグラフを見れば、波動原理がきわめて明快であることは疑問の余地がない。
(*7)

迷ったときはハミルトン・ボルトンが書いているように、足を切り替えながら細かくラインを引いて、ディグリーの変化が起こったときに、内部の形と長さ、例外的なことがあったかを見ていくといいと思います。



*16年9月25日の投稿を17年9月23日に編集しました。



*1
R.N.Elliott『Nature's Law』
1 p25
2 p27
3 p107

*2
『自然の法則』の中に「特許」という章があって、ダウ5波動の上昇のときに特許も5波動の上昇になっているという記述があります。

Elliott Wave Internationalも16年10月17日に特許とダウの関係について書いてます。
http://www.elliottwave.com/Stocks/A-Fascinating-Link-Between-Bull-Markets-and-Invention

*3
冒頭の関連投稿「複合修正波について」

*4
ハミルトン・ボルトン『エリオット波動』p155 - 158

*5
『Elliott Wave Principle』の初版(1978)から6版(1990)までのサブタイトルは「Key to Stock Market Profits」で、7版(1995)から現在の「Key To Market Behavior」になっています。

*6
Steven W. Poser『Applying Elliott Wave Theory Profitably』p12

*7
ハミルトン・ボルトン『エリオット波動』p29