人間の進歩的な活動とは何か

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「人間の活動と5波動の関係について」で書いたようにR.N.エリオットは『自然の法則』の中で人間の進歩的な活動は5波動構造になると書いています。

この人間の進歩的な活動は何かということを考えるための手がかりの一つに特許があると思います。
この理由は『自然の法則』の「特許」という章で、ダウ5波動の上昇のときに特許も5波動の上昇になっているという記述があるからです(*1)。

Elliott Wave Internationalも16年10月17日に特許とダウの関係について書いていて、特許と株価の分析は意味があると思います(*2)。

また、学術論文の数や被引用数もその国の人間の進歩的な活動を示しているかもしれないと思いついたので、特許と合わせて調べてみました。


以下はすべて2001年を100とした2015年までのグラフです。
グラフの株価はInvesting.com(*3)、特許件数は世界知的所有権機関(*4)、学術論文は文部科学省 科学技術・学術政策研究所(*5)のデータを利用しています。


・株価(12月の終値)

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・特許(Patent Grant - Resident)

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・論文数の推移(単年、整数カウント法) - (*6)

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・Top1%補正論文数の推移(単年、整数カウント法) - (*6)

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・アメリカ

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・ドイツ

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・日本

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これを見るとアメリカとドイツは、特許も論文数もTop1%補正論文数も増加していて株価が5波動構造で上昇するのが当然に思えます。
逆に2009年から15年の上昇が綺麗な5波動構造に見えない日本は特許と株の関係や論文数の伸びが悪くなっています。


○HFTは人間の活動の進歩か

Elliott Wave ForecastはHFTによって3波構成で動くようになったということを言っています。
HFTが人間の活動の進歩によるものならこれはおかしなことになりますが、私は取引の高度なアルゴリズムを構築出来るようになったことは人間の活動の進歩ですが、それを利用することは人間の活動の進歩ではないと考えます。
もし、HFTが法で規制されることになれば、HFTがチャートを3波構成にすることは不可能です。

usdjpy.jpg

上のチャートは17年10月5日のツイート再掲です。

“Time Sessions for FXCM”(*7)を参考にtradingviewで東京証券取引所の立会時間とほぼ重なる日本時間9時から15時だけのドル円を表示させたバーチャートです。
為替は通貨の交換比率であるので人間の活動の進歩とは直接関係なく、24時間チャートでは基本的に3波構成の連続になっていると考えていますが、これは綺麗な5波動構造になっているように見えます。

日経平均先物のように取引所を通すものであれば取引時間が制限されていて、24時間取引は現時点では不可能です。

ですから、あるチャートが上昇トレンド時に5波動構造になるのか3波構成になるかは主に

進歩的な活動かどうか
取引環境(法律や取引所のルールなど)

の2つに影響を受けていると思います。



18年1月28日 追加

ここで他の指数を見てみることにします。

以下はスペインの株価指数IBEXとオーストラリアの株価指数AORDのチャートです。

上記の特許等は確認していませんが、分離・独立問題があるスペインや以前にも少し触れた国内の自動車生産が終了するオーストラリアには綺麗な5波動構造で上昇する背景がないかもしれないという気がします。

IBEX 月足 - 17年10月5日

ibex1.PNG

IBEX 月足(ログスケール) - 17年10月5日

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IBEX 週足 - 18年1月28日

ibex18128.PNG

AORD Daily - 17年第4レポートから再掲

174aord.PNG

AORD Weekly - 18年1月28日

aord18128.PNG



18年1月21日 追記
18年1月28日 ドル円日足チャート追加。これに合わせた本文中の修正

ここまでのことから日経平均株価は「5波動構造」で上昇していない株価指数の可能性があると思います。

・日経CFD 週足 - 18年1月20日

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・ドル円 週足 - 17年第4レポートから再掲

174usdjpy.PNG

・ドル円 日足 - 18年1月28日

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・日経平均株価 週足 - 18年1月20日

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“ディグリーの変化を見るためには、トレンドラインを引くという手段がある”(*8)と言うハミルトン・ボルトンに従い、日経CFDの15年8月から16年2月までの下落はそれまでのトリプルスリーでの上昇の修正で、16年2月からY波の最初の波がフラットで進行していると考えています。

上のドル円の週足チャートは17年9月末のものですが、現在も考えは変わっていません。
まもなく日足チャートのトレンドラインで反発し、世界の株の修正の時に103.4 - 100円というイメージを持っています。
この反発の時に日経CFDは黒A/Wが完成し、16年2月からの全上昇の修正が起こると想定していますが、最近のドル円と世界の株の状況からこの修正が浅くなると思います(そして、これが日経平均株価の日足や週足で見るとどこかの4波に見える動きになる)。

その結果、日経平均株価は日中足を見て厳密に考えると「5波動構造」で上昇しているとは言い難くとも消去法で「5波動構造」で上昇しているチャートとカウントされるということになると思います。


おそらく、多くのチャートではプレクター/EWIの教科書に従って『5』ですべての動きを説明することが出来ると思います。

個人的には『3』で考えた方がうまくいくと思いますが、最終的に『5』で説明できるはずなので「基本は『3』であって『5』ではない」ということはそれほど重要ではなくなると思います。

個人投資家のメリットとして毎日取引する必要はないとか期間内に一定のノルマが課されていないとかそういう話を聞いたことがあります。

同様に、有料サイトは会員に毎日チャートを提示しないといけないし、「私言いましたよね」というプロモーションが必要でしょうが、個人で使っている範囲では厳密に考えると説明しにくい出来事があっても、判断を保留したりトレードしないという選択肢があるのでそれを有効に使えばいいと思います。



*1
R.N.Elliott『Nature's Law』p71

*2
http://www.elliottwave.com/Stocks/A-Fascinating-Link-Between-Bull-Markets-and-Invention

*3
https://jp.investing.com/indices/us-30-historical-data
https://jp.investing.com/indices/germany-30-historical-data
https://jp.investing.com/indices/japan-ni225-historical-data

*4
http://www.wipo.int/ipstats/en/statistics/country_profile/profile.jsp?code=US
http://www.wipo.int/ipstats/en/statistics/country_profile/profile.jsp?code=DE
http://www.wipo.int/ipstats/en/statistics/country_profile/profile.jsp?code=JP

*5
(出典)文部科学省 科学技術・学術政策研究所、科学研究のベンチマーキング2017、調査資料-262、2017年8月を基に、宇宙ミジンコ討伐隊の中の人が加工・作成。

http://www.nistep.go.jp/research/science-and-technology-indicators-and-scientometrics/benchmark

*6
“また、「国の科学研究力」を見るときに、量的観点と質的観点が求められる。そこで、量的観点として論文数を、質的観点として他の論文から引用される回数の多い論文数(Top10%補正論文数、Top1%補正論文数)を用いる。”
http://data.nistep.go.jp/sti_indicator/2016/RM251_42.html

*7
https://twitter.com/mt4program/
https://jp.tradingview.com/script/LDP6FIsw/

*8
ハミルトン・ボルトン『エリオット波動』p29